アメリカの戦争 American-style war 2003 10 11
アメリカの戦争は、陸上での戦いでは、あまり、うまくないと言えます。
ベトナム戦争、イラク戦争。
イラク戦争を、作戦の面で、点検する人が、誰もいないですね。
政治的な評価や、政治的な批判は、多いですが、
作戦的な評価は、まだ、誰もしていないのでしょうか。
イラク戦争において、
投入した兵力が中途半端でした。
少数精鋭の部隊を派遣して、要所を押さえて、
心理的な効果を重視して、戦いを支配するか。
大規模な兵力を投入して、短期で決着をつけるか。
戦略的には、この2つしかありません。
さらに、トルコの協力が得られないとわかった時点で、戦争を中止すべきでした。
作戦とは、攻めるだけでなく、退却するのも作戦です。
退却することが下手な軍隊は、長期的には負けます。
これは歴史を見れば、よくわかります。
失った「土地」は回復できるが、失った「時間」は回復できない。
勝利したと言っても、戦いが、長引いては、負けも同然です。
次に、あまりに補給線が伸びすぎました。
クウェートからバグダッドまで、あまりに長大な補給線となりました。
普通ならば、これで負けます。
イラク軍は戦争が下手だったので、助かりました。
これは、おそらく、サダムが、裏切りを恐れて、
優秀な司令官をクビにして、身内を司令官にしたからでしょう。
また、バグダッドの突然の落城。
これも、運がよかったのです。
このように、イラク戦争は勝ったと言っても、
まるで、氷の張った湖の上を歩いたような勝利でした。
イラク戦争を戦略的に分析して、研究すべきです。
もちろん、戦争が短期間で終わってしまうと、
軍事産業は、儲けが少なくってしまいます。
軍事産業としては、なるべく戦争が長引いてほしいのが本音でしょう。